第1話 第一話
2026/04/13 11:20 公開
「ブらうネもん」
サンテネリ人民共和国(以下「サ人共」という。)において誰もが知る国民的アニメ。
サ人共のイチ市民として生まれ変わったグロワス十三世の側妃ブラウネが、「地に落ちて死なずば」の存在を知り、サ人共における超科学の成果により地に落ち世界への次元移動を実現。
ぼくの家に居座るブらうネもんとぼくとの共同生活を描くハートフルアニメ。
なお、地に落ち世界の青佳さんはブらうネもんが次元移動した際に、同位存在として本人同意の下で吸収合体された模様。ちょっとホラー
※大サンテネリ人民百科事典より抜粋
【第十三話 お弁当だよ ブらうネもん】
「あら、陛下。少し落ち込まれているようですが、どうかなさいましたか?」
「ああ、今日会社で突発的に役員によるランチミーティングが開催されてね」
ブらうネもんの手作り夕食を共に食べながら、自嘲するようにぼくは言葉を続ける。
「役員のみんなが少し高そうな弁当を食べている中、私だけがコンビニのからあげ弁当でね。私は別にいいんだが、お茶出しをしてくれた秘書課の社員の私の弁当を見る目がちょっと・・・ね」
コンビニ弁当は好きだが、周囲から少し浮いてまでコンビニ弁当を推しているわけでもないぼくにとって、それはほんの少しだけ羞恥を感じる展開だった。
「しょうがないですね、陛下は。ブらうネもんにお任せください」
「あ、ああ・・・(青佳さんのこの設定いつまで続くんだろう)」
夕食後、キッチンに赴くブらうネもん。
しばらくして、リビングでくつろぐぼくのところに、小ぶりな箱を持参してやってくる。
「チャラチャチャッチャチャーン 手作り(愛妻)弁当~」
「(毎回口ずさむこの効果音みたいなものもなんなんだ・・・)」
「これを持参して会社に行けば、ランチミーティングがあっても何も問題ありません」
「あ・・ありがとう。でも括弧の部分は誤解を生む気がするから・・」
「は?」
「あ、いや。ほら、事実と異なることを言って見栄を張ったりするのもどうかなと・・」
「しょうがないですね、陛下は。では手作り(妻(仮))弁当で」
「括弧が増えて読みにくい上にみんなに与える印象が悪くなってるよ・・」
「陛下は細かいことを気になさいますね。では、手作り(妻(内定))弁当で」
「表現が変わっただけで意味変わってないよね!」
その後、ブらうネもんとぼくとの間における粘り強い交渉により、最終的にお弁当の名称は「手作り(女性)弁当」に落ち着いたのであった。
~翌日の夕方~
ぼくの自宅にて空となったお弁当をぼくから受け取るブらうネもん。
「いかがでした?」
「とても好評だったよ」
「そうですか、それは良かったです」
「出社して社長室に向かう途中で茉莉に会ってね。雑談の話題が昼食の話になって弁当を持参したことを話したら、手作り弁当を見たいと言い出してね。お昼に社長室で茉莉のお弁当のおかずと交換しながら食べたんだ。茉莉も美味しいって言ってたよ」
「・・・ランチミーティングではなくお二人でですか」
「ああ。茉莉から、家族でもない人の手作り弁当をランチミーティングで出すのは誤解を受けるからと。今後、役員がランチミーティングをする際は、秘書課で役員分の弁当を準備するように調整するんだって」
「・・・・・・・」
続かない。